つまづき戸惑い想像以上。課題が見えた初登園【幼稚園をめぐる家族の物語⑮】

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初めてお読みになる方はこちらからどうぞ→第一話  来年から幼稚園』

 

前回までの内容

息子“たける”は、超がつく繊細で感受性の鋭い気質の持ち主。

入園の半年ほど前から「ママが一緒でなくては幼稚園に行かない」と言う、たけるの気質に合った集団生活への移行方法を考え、「慣れるまではママが園に付き添う」という方法を取らせてもらうことに。

4月、入園式を迎え、無事に終えた。

 

“たける”のように、繊細さや感受性の豊かさ鋭さ、敏感さを生まれ持つ気質の子のことを、HSC(Highly Sensitive Child)=人一倍敏感な子と言います。

HSCは一般に、集団に合わせることよりも、自分のペースで思案・行動することを好みます。これはその子の独自性が阻まれることを嫌がるほどの「強い個性」とも捉えられるのです。

また、HSCは些細な刺激を察知し、過剰に刺激を受けやすいせいもあって、家や慣れている人や場所では絶好調でも、新しい人や場所、人混みや騒がしい場所が極端に苦手なのです。

さらに他の子は問題なくできることを怖がったり、小さいことを気にしたりしがちですので、「内気」とか「引っ込み思案」とか「臆病」とか「神経質」などとネガティブな性格として捉えられ、「育てにくい子」として扱われてしまう傾向にあります。

これらはHSCの、微妙な刺激や変化を敏感に感知する繊細さ(先天的な気質)にあるのです。

5人に1人は、HSCに該当すると言われています。(*HSCはアメリカのエイレン・アーロン博士が提唱した概念です)

HSC・HSP(Highly Sensitive Person)の特徴

①刺激に対して敏感である。ちょっとした刺激でも感知してしまう。すぐにびっくりする。

②過剰に刺激を受けやすく、それに圧倒され、人より早く疲労を感じてしまう。新しいことや初対面の人、人の集まる場所や騒がしいところが苦手。誰かが怒鳴る声を耳にしたり、誰かが叱られているシーンを目にしたりするだけでつらい。慣れた環境や状況が変わるのを嫌がる。不快な状況や圧倒された状況にいると、冷静さを失いやすい。

③人の気持ちに寄り添い深く思いやる力や、人の気持ちを読み取る力など『共感する能力』に秀でている。細かな配慮ができる。

④自分と他人との間を隔てる「境界」がとても薄く、他人の影響を受けやすい。他人のネガティブな気持ちや感情を受けやすい。

⑤直感力に優れている。漂っている空気や気配・雰囲気などで、素早くその意味や苦手な空間・人などを感じ取る。先のことまでわかってしまうことがある。物事の本質を見抜く力がある。物事を深く考える傾向にある。思慮深い。

⑥モラルや秩序を重視する。正義感が強い。不公平なことや、押しつけられることを嫌う。

⑦自分のペースで思案・行動することを好む。自分のペースでできた方がうまくいく。

⑧静かに遊ぶことを好む。集団より一人や少人数を好む。1対1や少人数で話をするほうがラク。大人数の前や中では、力が発揮されにくい。

⑨自己肯定感が育ちにくい。外向性を重要視する学校や社会の中で、敏感な気質ゆえに求められることを苦手に感じることが多く、人と比較したり、うまく行かなかったりした場合に自信を失いやすい。

⑩自分の気質に合わないことに対して、ストレス反応(様々な形での行動や症状としての反応)が出やすい。感受性が強すぎ、繊細すぎるために、学校や職場での環境や人間関係から強いストレスを感じてしまい、不適応を起こしやすい。人の些細な言葉や態度に傷つきやすく、小さな出来事でもトラウマとなりやすい。

初登園の朝

 

いよいよ今日からか・・・

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f:id:kokokaku:20171105142421j:plain「たける、そろそろ起きようか。今日から幼稚園だよ」

 

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「ハンカチをポッケに。あとリュック」

                      f:id:kokokaku:20171126195854j:plain

 

f:id:kokokaku:20171105202409j:plain「じゃ、行ってきます」

f:id:kokokaku:20171104145658j:plain「行ってきまーす」

f:id:kokokaku:20171104163811j:plain「頑張ってね」


「うん!」

                        f:id:kokokaku:20171126195918j:plain

f:id:kokokaku:20171105142349j:plain「幼稚園ではママはどこにいるの?」

f:id:kokokaku:20171105143601j:plain「う~ん、そうだね。邪魔になっちゃいけないから、玄関あたり?」

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f:id:kokokaku:20171105141646j:plain「だめ!」

「えぇぇ!?」f:id:kokokaku:20171126200614j:plain

f:id:kokokaku:20171105141646j:plain「見えるところじゃないとだめ!」

f:id:kokokaku:20171126200143j:plain「じゃあ、行ってから先生と話して決めようね」

f:id:kokokaku:20171105141646j:plain「行ったらすぐに聞いてね!」

(うぅぅ早速イメージズレてるよ・・・ 。f:id:kokokaku:20171126200614j:plain

入園式では軸をたけるに置いてガツンと殻を破ったけれどもね・・・

幼稚園という環境は、先生が中心で、他の子もいるんですよ、たけるくん。

ママは、何とか先生や他の子のペースや秩序を乱さない範囲で付き添いたいのですよ。

なのでせめて壁ひとつ隔てた目立たない場所で待機しようと思っていたけんだけどもねぇ・・・)

*この当時、HSCについての認識はおろか、その概念の存在自体知りませんでした。

知っていたら、それを先生と共有してもっと気を楽にして要望を伝えられたのかな?と思います。 

 

 課題その1、ママの待機場所決め

f:id:kokokaku:20171104145323j:plain「おはようございます」

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「あ、たけるくん、おはようございます」

f:id:kokokaku:20171105142349j:plain「おはよーございます」

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f:id:kokokaku:20171126200553j:plain「ママ!ちゃんと聞いてね」

(いきなり?プレッシャーかけてくるんだよね~。)f:id:kokokaku:20171126200614j:plain

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f:id:kokokaku:20171126200143j:plainふぅ(気合だ)・・・「あの、先生?」

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「はい?」

f:id:kokokaku:20171105143601j:plain「あの、私はどこで待機するのか、たけるが気にしてまして。私はあまり目立たない場所がいいかと思ったのですが・・・」

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「そうですね・・・絵本コーナーにしましょうか?」

f:id:kokokaku:20171105140253j:plain「いいですね」

f:id:kokokaku:20171126214959j:plain「だめ。ここ(教室の後ろ)がいい!」

(おいおい)f:id:kokokaku:20171126200614j:plain

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「いいですよ。たけるくん、じゃあここにお母さんの椅子を置こうね」

f:id:kokokaku:20171126200614j:plain「あ~、すみません。ありがとうございます」

(私のこの気ぃ遣い癖! ふぅぅぅー。

人に何かをお願いする、人に何かをしてもらうのが本当に苦手って改めて気づく)

 

待機場所:玄関でも絵本コーナーでもなく、教室の一番後ろ端に決定です。

*下の間取り図はイメージです

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1週間は慣らし期間。お昼ごはんは食べずに12時に終了です。

まずは、登園から降園までの流れに園児たちが慣れるための期間なので、先生が何でも教えてくれるし手伝ってもくれます。

 

課題その2、みんなと一緒にお着替えが無理

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「みんなー、自分のロッカーにリュックを入れたらおたより帳の“ここ(カレンダー)”に好きなシールを貼って出して下さい」

 

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f:id:kokokaku:20171104145658j:plain「好きなの選んでいいんだってよ」

f:id:kokokaku:20171105140253j:plain「やったね~」

“好きなシール”に喜び反応。

 

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「次はお着替えで~す」

 

(どうした  どうした?またきたよ)f:id:kokokaku:20171126200614j:plain

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f:id:kokokaku:20171104145658j:plain「ママきて」

f:id:kokokaku:20171126200614j:plain「え!なんで?どうしようか」

f:id:kokokaku:20171126200553j:plainじーーーーーーー

うぅぅ・・・f:id:kokokaku:20171126200614j:plain

 

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「たけるくん慣れるまでお母さんのところでお着替えする?」

f:id:kokokaku:20171104145658j:plain「うん!」

f:id:kokokaku:20171105140435j:plain「ありがとうございます」

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f:id:kokokaku:20171126202049j:plain( 慣れるまではたけるが不安にならないように何でも言うこと聞くって約束はしたけれど・・・。

約束はしたけれどもだ。

いちいち聞くってかなり消耗するもんだなぁ。

そこに対・人(環境)という関係性が発生するだけでこんなに抵抗がおこるものなのか)

HSCにとって学校生活は負担が大きく、園や学校への「適応」は簡単ではありません。例えば、新しいことや初めての場所、人が集まる場所や騒がしいところが苦手だったり、予想外のことや変化を嫌がる傾向にあります。そのために学校生活は不安でいっぱいで、とてもつらいものと感じられることが多く、HSCにとって、新しい世界、特に学校という世界に入っていくのは、茨の道を歩いていくことを意味する(p342)と言われているくらいです。

また、物事を始めたり、人の輪に加わったりするなど、行動を起こすのにも時間がかかります。これは細かいことをじっくりと観察し、情報を深く処理(大丈夫かどうか確認)してから行動するためです。

その他、ちょっとしたことを気にしたり、刺激を受けすぎて圧倒されたりすると落着きがなくなったり、言うことを聞けなくなったり、物事がうまくできなかったりします恥ずかしさや刺激が多すぎて不安を感じる状況や環境では、冷静さや自制心を失って、その子が持っている本来の力が発揮できなくなるのです。

その気質や特性への認識が共有され、慣れるまでのそれぞれに合ったやり方やペースが尊重されると安心ですが、そうでない場合、自己否定感や劣等感、トラウマを抱えやすいのです。

特に幼い頃に母親から無理に引き離された経験は、HSCにとってトラウマになる(強い不安となって残る)傾向があるのです。

                              文献:『ひといちばん敏感な子』(エレイン・N・アーロン/著、明橋大二/訳 一万年堂出版 2015)

 

 

課題その3、集合して体操座りで話を聞くのが無理

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「集合してくださーい」

先生の合図で園児は先生のところに集まって体育座りをすることになっていました。

 

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最初だけはみんなにつられて集まりましたが・・・

次からは・・・

先生の「集合してくださーい」の声がかかると、たけるはママのところに。

(いやー、ここは完全にママのところにくる場面じゃないよねー)f:id:kokokaku:20171126200614j:plain

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しかも膝の上に座ろうとします。

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f:id:kokokaku:20171126200614j:plain「どうした どうした、さすがにお膝の上に座るのはやめておきませんか?」

f:id:kokokaku:20171126214959j:plain「なんで?」

        f:id:kokokaku:20171127182054j:plain

f:id:kokokaku:20171126200143j:plain「たけるの他にも不安な子いると思う。でもみんなはママが一緒じゃないから、どうしてたけるくんだけ?って思うよ」

f:id:kokokaku:20171126202353j:plain「でもね、たける時々泣きそうになるもん」

f:id:kokokaku:20171105143601j:plain「そっか、まだ慣れていないもんね。充電が必要なんだ」

f:id:kokokaku:20171126202353j:plain「うん」

f:id:kokokaku:20171105143601j:plain「じゃあお膝の上に乗りたい時は違う場所にいこうか」

f:id:kokokaku:20171126202353j:plain「うん」

 

f:id:kokokaku:20171126202739j:plain(ごめんごめん、すぐに軸があっちにいってしまう。

覚悟が足りん。

初日でわかった課題や、慣れるまでのやり方について先生と話し合いが必要だな)

 

f:id:kokokaku:20171104145323j:plain「たける、今日でわかった苦手なこと、先生とお話しようね」

f:id:kokokaku:20171104145658j:plain「うん!じゃね」

  

《MEMO》慣らし期間の1日の流れのまとめ

おたより帳にシールを貼って提出

↓ (好きなシールを選べるのでワクワク!)

体操着に着替える(脱いだ服は畳んで自分のロッカーへ)

(みんなと一緒に着替える行為に耐えられずママのところで着替える)

 

好きな遊び

(主に好きなおもちゃで自由に遊んだ。たけるはブロック遊び

*トイレ

(たけるは小便器が苦手で必ず個室派。ママ付き添い厳守希望)

10時半にお片付け

簡単なそうじ

着替えて手洗い・うがい

おやつ

はみがき

先生が絵本を読んでくれる時間

12時降園

 

 

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f:id:kokokaku:20171104145323j:plain「先生、今日はありがとうございました。初日過ごしてみて、慣れるまでのやり方や課題について詳しくお話できればと思うのですが、先生はご都合いかがですか?」

f:id:kokokaku:20171104145840j:plain「そうですね、明日の午後は大丈夫ですよ」

f:id:kokokaku:20171104145323j:plain「良かった、お願いいたします」

  

次回につづく・・・

 (*この物語は、実話をもとにしていますが、個人名や団体名、エピソードの一部に変更を加え、事実と異なるところがあります。)

 (*次回第16話は『初登園した息子の本音とニーズ~慣れるまでの具体的な対応策~』の予定です)

 

ー著書紹介ー

~幼かったあの日の私を抱きしめに行こう。

本当の私(ママ)になるために。~

というキャッチコピーの本、『ママ、怒らないで。』を出版しています。

ママ、怒らないで。不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病

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